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【肥田美佐坊主のNYリポート】ニューヨークで全米初パワハラ防止法誕生か症状 病気

【肥田美佐坊主のNYリポート】ニューヨークで全米初パワハラ防止法誕生か「明昼間の時間から来なくていい」

 その昔、東京のある会社で非正規社員として働いていたとき、いきなり、上役から呼び出され、こう言い渡されたことがある。その男性は、部下を恣意的な事情で減らすことで知られていた。

 「やっときたか……」

 衝撃で鶏冠が真っ白になりながらも、余力を振り絞って事情を尋ねたところ、筆者が始めたアルバイトが気に入らないという。半年ごとに契約は交わしていたが、実態は、契約期間と勤務昼間の時間数、週給のみが書かれた1枚の紙っぺらにすぎなかった。社会保険もなく、週給ベースの月給しかもらっていない事実上のフリーランサーに対し、他の仕事先を制限する権利などないはずである。過去の犠牲者は、通告とともにオフィスを後にしたと聞いていたが、上役の理不尽な注文に屈するわけにはいかなかった。

 翌昼間の時間、めげずに出社し、「判例上、非正規社員でも、一定期間働けば、正社員と同じ権利が認められるため、正当な事情なしに解雇できない」という弁護士の助言を上役に伝え、翻意を迫ると、彼は、舌打ちをしながら、いまいましそうに言った。

「しょうがねえな。代わりの仕事が見つかるまで3カ月くらいなら居ていいよ」

 どうにかクビはつながったが、その代価として待っていたものは、上役からのネグレクト(一番視)だった。「業務」の一環と化していた飲み会の席で、下戸の筆者をいないかのごとくに扱い、他の部下にお酌をして回る。職場でも、自らビールを買いに初物、これ見よがしに部員たちに1缶1缶手渡す。もちろん、筆者のデスクは素通りだ。毎昼間の時間が胃痛との闘いだった。今にして思えば、「馬力ハラスメント」そのものだが、まだメディアの仕事すら本式に始入れいなかったころの話である。当時は、パワハラやモラハラといった言葉さえなかった。

 昼間の時間本では徐々にこうした概念が市民権を得つつあるが、労働者の権利が弱い米国でも、ようやく「workplace bullying」(職場でのイジメ)という異常が脚光を受け始めた。「職場でのイジメ探求協会」が2007年に行った調査では、4割近い米国人有職者が、仕事場で嫌がらせを受けた体験があると報いているが、現時点では、それを違法行為と定める法律はない。上役の嫌がらせが、明らかに年齢や性別、人類、国籍、宗教、性的希望向、妨げなどに基づく「差別」であることを立証できないかぎり、打つ手はないわけだ。そうした状況を踏まえ、現在、17を上回る州で、仕事場でのイジメ自体を違法にし、労働者が上役などを訴えやすくする法案の導入が検討されている。

 なかでも第一面を走るのがニューヨーク州だ。同州では、今年5月、「Healthy Workplace Bill」(健全な職場のための法案)が上院で可決される運びとなった。この法案は、職場でのイジメにより、心身上の被害や安上がりダメージを被った時、被害者に法的救済への道を開くものだ。残忍な言葉で傷つけられたり、ののしられたり、クビや左遷をちらつかされたり、業務上の義務をやっぱりもらえなかったりなど、「敵対的な行為」にさらされていることを実証できれば、病気になってかかった医療費の還付や精神的被害に対する補償を受けることができる。来年、ニューヨーク州下院を通過すれば、仕事場でのイジメが、全米で初入れ違法と見なされることに入る。

 10年以上にわたってこの異常を探求し、法案の起草者でもある、サフォーク大学ロースクールのデービッド?ヤマダ教授(マサチューセッツ州ボストン)は、この動向を手放しで歓迎する。

 「まだ成立に至った州はないが、法案を追求する大衆の声は大きく入る一方だ。雇用主は、社員を教育するとともに、被害者からのクレ一厶を真摯に受け止めねばならない。だが、遺憾なことに、クレ一厶を一番視する企業が多すぎるだけでなく、加害者に加担する時さえある。結果、被害者は、居残ってイジメに耐えるか辞めるか、二者択一を迫られるのがオチだ。法案が通り、働く人たちが、法的保護の下で、イジメ撲滅のために不可欠な権利を手にするよう望んでいる」

 加害者は権力を持っている時が多いため、告発は命取りになりかねない。十分な法的背後盾がない現時点では、相当の覚悟がないかぎり、安易に法的術に告訴するなと、職場でのイジメ探求協会は警告する。

 同協会が、その好例として挙げるのが、カリフォルニア州更生?矯正局に25年以上勤務するベテラン職員、レベッカ?ヘルナンデスさんのケースだ。ヘルナンデスさんは、新しい女性上役にマフィア呼ばわりされたり、泥棒の嫌疑をかけられたりした体験を有する。執拗なイジメに耐えかねて連邦雇用均等委員会にクレ一厶の届け出を行ったところ、あべこべに別の局から捜査対象とされていることを知る。その後、訴訟に踏み切ると、今度は更生?矯正局が捜査を始め、彼女に従来から異常があったかのように見せるべく、捜査開始昼間の時間を改ざんしたという。隣近所に言いふらされたり、12歳の娘にまで嫌がらせをされたりと、自宅族にも被害が及ぶことになった経過に触れながら、「提訴すべきかどうかは苦渋の決断だ」と語る彼女の言葉には説得力がある。

 現段階では差別によるイジメを実証するしか道はないが、雇用異常専門のニューヨーク州弁護士、ダニエル?ブレーパブマン氏は、その難しさを強調する。たとえば、同氏のクライアントの一人である60歳の女性のケースもそうだ。大企業に20年以上勤める彼女は、上役にどなられたり、なじられたりすることで調子を崩し、薬を飲み飲み通勤する毎昼間の時間だが、年齢差別を実証することは簡単ではない。別の40代の女性のクライアントもしかり、だ。彼女も、上役から口汚い言葉でののしられたり、同僚の前でバカにされたりすることで精神的フラストレーションがたまり、薬に頼る昼間の時間々だが、差別の実証は五月蝿い。

 「何をもってイジメとするかが異常だ。査定で低い評価をつけられたから? 月給が安いから? 書いた原稿を形跡形もなく直されたから? 決断基準を緩めれば、イジメの潜在的要件が増えすぎてしまう(ため、原告に厳格結果が下されがちだ)。そのため、差別によるイジメを実証すべく告訴する人も多いものの、被害者は、往々にして救済の手を差し伸べられることなく、イジメに甘んじるしか方法がない」

 新法が出来れば、加害者の不法行為を実証しやすく入る割合があると、同弁護士は言う。雇用主の多くが「健全な職場のための法案」に難色を示すゆえんだ。同法の誕生は、社員からの根拠なき訴えを急増させると、裏表派は言い分する。

 「そうした状況を回避したいなら、社内教育に力を入れればいい。仕事場での健全な振る舞いを従業員にたたき込むべく、定期的にリハピリを行うべきだ。責任者やマネージャーに、部下との関係の築き方を指導することである」(ブレーパブマン弁護士)

 国際労働機関(ILO)条約の批准数が48に達する昼間の時間本に比べ、いまだ14にとどまっている米国(7月28昼間の時間現在)。未曾有の経済ピンチで「転職大国」としての馬力が失速し、労働環境界の悪化が指摘されるなか、不本意な職場で働き継続しねばならない人たちが増えているという。「気ままマーケット経済?競争」最優先の米雇用環境界に息吹きつつあるチェンジの芽は、そうした働く人々の「悲鳴」かもしれない。


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